体表の出来物
2020/01/23
腫瘍は体の表面、中、何処にでも出来ます。表面の物は比較的発見しやすいですが、毛に被われている場所のは触らないと分からない場合があります。見つかった出来物が何であるか。触っただけではどのような物かまでは分かりません。出来物に針を刺し、その針の中に入ってきた細胞を診る方法があります。この検査は動物の負担は軽く済みますが、採取された細胞しか診る事が出来ないので、例え悪性腫瘍だとしても、それを決定付ける細胞が確認出来なければ悪性腫瘍と診断は不可能です。出来物全体を調べる方法があります。腫瘍自体を切除して全体を調べれば、その正体がはっきりします。しかしこの場合は全身麻酔が必要です。但し、切除が十分であれば、治療も同時に済んでしまいます。
体表腫瘍を切除する時に重要なのは、その大きさと場所です。勿論小さければそれだけ切除しやすいのですが、切った後は縫合しなければなりません。頭や四肢、尾などの皮膚に余裕がない場所では、切除は可能でも縫合が難しい事があります。ぽっかり取り去った皮膚を縫うには、切った周りの皮膚を寄せなければなりません。皮膚に余裕がない場所では、思った場所に皮膚を引き寄せて縫えない事があります。そのような観点で見れば、切除するならやはり出来物が小さいうちに行うのが良いです。